(237)新春の勉強会
正月気分は、はなからありませんが、1月7日8日と勉強会がありました。無駄な話しのない、キッチリした会です。ダラダラとした座長の話もない民間の本当の講演会・勉強会です。新進気鋭の総合東京病院循環器内科で若手のホープ、滝村先生の講演でした。丁寧で身辺もクリーンな方です。さて、骨子ですが、臨床上の盲点と思われるポイントを列挙します。
- 突然起きた夜間頻尿は心不全(CHF)を考える。
- 今や実臨床では殆どS-Gカテを入れない。
- 右心系の圧評価は、心エコーによる下大静脈径で診る。径の呼吸性変動が無ければ右心不全である。
- 心収縮が良くて左房拡張例は拡張障害を疑う。
- BNPは200以下、NT-proBNPは1000以下がコントロールの目標である。
- 院内検査の出来うる総合病院ではBNP,そうでないクリニックでは専用容器の必要のないNT-proBNPが検査に適している。
- 以上が高い場合は、心不全と幾つかの病態が考えられ、低い場合のみ心不全でないと言い切れる。
- 経口投与で時間のある場合、フロセミド(ラシックス)よりアゾセミド(ダイアート)の方が持続性で推奨される。
- 無症候心不全でもβ-遮断薬とACE阻害薬は使い始めること。
- 低Na血症を認める心不全は予後が悪い。
などなど。
S先生のために続編も書きます。滝村英幸先生には東京保険医協会でも講演して頂こうと思っています。